株オンライン

損失を抑え、利益を得る方法

株のオンライン自動売買とは、注文を機械的に処理する投資手法です。前もって条件を設定し、指値(指定の価格)または成行(価格指定なし)で売買します。

自動売買を使えば、それだけで簡単に儲かるなどということはありません。しかし、利益を得る努力と同じくらいに大切な損失を防ぐ努力をするために、大いに力を発揮するはずです。

株オンラインの自動売買を活用して損失をできるだけ抑え、利益をできるだけ得るための方法について解説します。

逆指値

株式投資のオンライン自動売買で最も基本的な注文方法は「逆指値(ぎゃくさしね)」だ。これは、時価よりも高い指定の価格まで上昇したら「買い」とする注文、または時価よりも低い指定の価格まで下落したら「売り」とする注文のことである。

普通の「指値(さしね)」というのは、時価よりも低い価格で「買い」を出す注文、または時価よりも高い価格で「売り」を出す注文だから、逆なのである。要は「上がれば買い」「下がれば売り」とする注文ということだ。

株式投資の失敗

株式投資の失敗の多くは、上がると思って買い→思惑はずれて下落→「戻れば売ろう」と思っているうちにさらに下落→諦めて売却し大損、というパターンだろう。

当然のことながら、大損は損を大きく拡大させるから発生する。見通しがはずれるという失敗は誰にでも付きものだが、失敗したときに損の拡大を防ぐことはできる。損失は自分で決められる。ダメだと思ったら早めに「ロスカット」(損切り)して逃げることだ。

ロスカット

例を挙げよう。時価1000円で株を買ったとする。ロスカットの手立てを講じるには、ここですぐに、たとえば「950円まで下がれば売り」という逆指値の売り注文を出しておく。狙いどおり上昇したり、950円まで下がらなければ、その株は売らずに持ったままだ。

このように逆指値は、損な方向に進めば売り、儲かる方向に進めば売らない。普通の指値(売りの場合)は、時価よりも上で売るから得な気がするが違う。指値に届かない場合のケアはまったくないし、その指値以上に上昇する可能性を放棄してしまうことになる。

命綱があるから大きなリターンが狙える

失敗したらロスカットと決めておけば思い切った投資も可能だ。命綱があるからこそ、チャレンジして大きなリターンを狙うことができる。

たとえば、時価が1200円のときに「1150円まで下がれば売り」の逆指値を出しておく。時価よりも安く売ってしまう可能性もある一方で、もっと上がる可能性を追求できる。

1400円まで上がれば、「1350円まで下がれば売りの逆指値」といったように、株価の上昇に合わせて逆指値を切り上げていくことで、下落への対処をしつつ早売りを回避するような注文も可能となる。

「ロスカットが早過ぎた」と思った場合は、再度買い直す。ロスカットも完璧に行なうことはやはり難しいから、躊躇しているとズルズルいってしまいかねない。決めた価格でロスカットし、「それが失敗だったら買い直せばいい」と割り切るぐらいでちょうどよい。

トレンドに逆らわない

また「買い」の場合も、下がってきてからでなく、上がり始めたところで買うことができる。いずれにしても、トレンドに逆らわず、大きな損失を回避し、大きな利益となる可能性を待つ。そういう投資パターンに逆指値などの自動売買は力を発揮するわけだ。

W指値

逆指値以外にも、普通の指値と逆指値を併せ持った「W指値」がある。W指値とは、時価の上と下で指値と逆指値ができる自動売買。たとえば時価1000円の手持ち株の売却で、1100円の指値注文をしながら、株価が900円にまで下がったら指値を890円に訂正する、といった設定ができる。

このほか、買えたらそれの売り注文を出してくれる「Uターン注文」など、自動売買には便利な注文方法がまだある。また、マーケットを見ることができないあいだの価格変動リスクへの対処ともなる。